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非人道的な生殖

世の中には信じられない動機で子どもを作り、またあろうことか死なせる人々がいます。その実態を示した記事がこちらです(ショッキングな記事なので閲覧にはご注意ください)

堕胎(あえてこの表現を使います)が実質無条件で行われている問題は、以前から医療現場や医療研究者の間で長く問題視され続けていました。しかし、国民の関心を集めるには至らず、未だに改善には至っていません。その結果、堕胎は未だに容易にできるままとなっています。

これが非人道的だというのは、誰もが認めるところでしょう。

ここで精子提供の話題に移ります。精子提供も生殖行為です。

現在、SNS等を用いた精子提供者は300人を超えると言われています。精子を求めるクライアントにとっては、多くの選択肢が提供されているといえます。しかし、この状況は手放しで歓迎できるものでしょうか。私の知る限り、以下のようなドナー/クライアントが存在することがわかっています。

  • ドナーに経歴詐称されたと主張し、トラブルの末子どもを施設に預けてしまったクライアント
  • 「結婚ができないから精子提供を始めた。産まれた子どもにはぜひ会いたい」と断言するドナー
  • 「優れた知能を持つ自分は多くの子どもを残すべき」と豪語するドナー
  • 「病気で働けないので、生活保護で育てます。いざというときは認知してもらえますか?」というクライアント
  • 妻に黙って精子提供を行っており、「もし発覚しても理解してもらえる」と言っているドナー(なお、日本で妻の許諾を得ていると明言している精子ドナーは、私(西園寺)以外は恐らく存在しません)
  • 精子提供のマッチングサイトを運営し、1人3万円の精子ドナー登録費用を徴収している者(マッチングと称していますが、単にWebサイトに登録ドナーの一覧を載せているだけのようです)

私は個人間精子提供は規制されるべきだと考えています。上記の例を見れば、なぜ規制が必要なのか理解できると思います。

上記の例はまさに「非人道的な生殖」にほかならず、堕胎制度と同様の倫理的問題をはらんでいます。今まさにこの国で子どもが不幸になり、そして命を奪われているのです。

生殖医療制度全体を見直す時期が来ています。いや、その時期はずっと前から来ていたのですが、長く放置されてきたのです。それを放置してきたのは、政治家や医療関係者だけではありません。私達もまた、放置してきたのです。これはいつか正されるべき問題ではありません。今、直ちに正されるべきなのです。

生殖に関わるものは、産まれてくる子どもに対して責任があります。精子ドナーも、クライアントも、それをよく認識し、自らの良心と人道に従って精子提供に臨むべきです。

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